CLINIC INTERVIEW

2016.11.12

美しい口腔内のバランスを作られる大谷一紀先生(東京都・大谷歯科クリニック)に、治療で大切されている点をお伺いいたしました。

どのような点を歯科治療で大事にされていらっしゃいますか?

常に新しい知識・技術・機械への投資をするように心がけています。CTやマイクロスコープなどの設備投資は比較的早めに試しているかと思います。常に学び続け、より良い治療を患者さまへご提供していきたいと考えています。

私の歯科治療の方針に、『口腔内から金属を無くしたい』という考えがあります。保険・自由診療に関わらず、金属を使わない治療を目指しています。

保険診療もしっかり取り組んでいる中、患者さまともしっかりコミュニケーションをとり、よりよい治療を提供するうえで、6割~7割の患者さまへ自由診療のご案内をしている状況です。

また、当院では常勤の歯科技工士(湯浅氏)がいます。常にコミュニケーションを取りながら切磋琢磨し、より良い補綴物を作れる様にしています。製作するセラミックも誰が作ったかがわかっているという安心感もあり、遠方の方・同業者の方にもいらしていただいています。

治療の際にリステリン®をご使用いただいていると伺っています。

リステリン®を治療に取り入れ始めたのはここ2年くらいのことです。

クリニックへのリステリン®導入当時は、ノンアルコールタイプのリステリン®で治療前に必ずうがいをしていただくように各チェアにリステリン®を設置しました。現在はアルコールタイプのものを使用することが多く、患者さまに提供する時は水で3、4倍に希釈したものを使用しています。

毎月500人、年間では2~3千人の患者さま全員にリステリン®を使用していただいています。

リステリン®を使い始めてから感じることですが、使っていただくだけで口腔内環境が変わっていくということがわかります。

例えば、インプラント治療をされていると患者さまは長期間、テック(仮歯以下、テック)での生活を強いられます。自分の歯や補綴物だけであれば歯ブラシだけでも問題ありませんが、テックに関してはプラークがつきやすく臭いも気になります。

そこで治療で来院された際にはリステリン®でテックを洗うこともしています。リステリン®でつけておくだけなので手間もかかりませんし、不快な臭いもとれ、患者さまにも好評をいただいています。

また、自分では一生懸命磨いていて頑張っているのに、上手く出来ず、治療にも支障がでてしまう患者さまには、洗口液でのうがいをしていただく指導をしています。本院でも歯科衛生士からの指導で『10分歯磨き』をと言うことがありますが、なかなか10分歯磨きは難しい。私自身でも長時間歯を磨くということは難しいです。

患者さまが出来る範囲で頑張って歯磨きをしたうえで、ご自身で足りていない部分を補う為に洗口液でのうがいをすることを患者さまにはお話をしています。また私たち医療従事者から勧められると“効果がある!”という意識を持っていただけて、患者さまはリステリン®を積極的に使用してくれます。特にリステリン®は当院でも購入していただけるように販売をしていますが、何処でも購入が出来る商品なので患者さまのご近所でも買えるというメリットがあるかと思います。

リステリン®を導入されたキッカケについてお教えください。

当院でリステリン®を使うキッカケになったのは、師として仰いでいる佐藤友彦先生から紹介されたからです。それまでは自身のデイリーケアで使用していましたが、薬局で販売をしている製品を歯科医院に置くということに抵抗がありました。ただ、佐藤先生の症例に毎年歯周病で抜歯が続いていた患者さまにブラッシング時、ペーストの代わりにリステリン®を用いて磨き、舌も磨くことでその後10年間歯周病で抜糸することがなくなった症例を見せていただいた時に衝撃を受けました。

また、自分の親友の歯科医師・歯科衛生士もリステリン®を使用していることを聞き、一般向け製品を歯科医院におくことに関して抵抗がなくなりました。

昨今では治療時に水道水ではなくミネラルウォーターをお渡しする歯科医院もあると聞きます。水ではなく、リステリン®を使用することにより患者さまに対してもより高いパフォーマンス効果を感じていただけるのではないかと考えています。もし、コストを気にされることがあるようでしたら、歯周ポケットが3ミリ以上の方に限る、○○歳以上等とルールを決めてしまうのも一つの手段かもしれません。

日本だと歯科医院におけるリステリン®の推奨率が低いようですが、豊富にエビデンスがあるリステリン®を使わない理由が見つからないと感じています。

患者さまへのコミュニケーションで気をつけていることはありますか。

ここ数年は、あれをしろ、これをしろ、のお願いや命令をやめるようにしています。

患者さまにとって歯科治療がいったん終わると安心してしまいます。そこからメインテナンスに来ていただけなくなることもありますが、何か問題が起これば患者さまは治療に来院されます。

その時に、患者さまに対して、『ちゃんと来なかったから悪くなった』『毎日きちんと磨いているのか、マウスピースをしていたのか』等、言ってしまうと患者さまは萎縮してしまいます。

結局ご自身で歯が悪いという自覚があり歯科医院にいらして頂いています。患者さまは助けて欲しいのであって、怒られにきているわけではありません。

だから私は、助けを求めてくれた患者さまを全力で助けたいと考えています。

正直、折角治してあげたのにメインテナンスに来ないからまた駄目になってしまったんですよ、と言ってしまっていた時もありましたが、言わないように心がけることを続けていく上で、その言葉は出なくなりました。これは、スタッフの教育でも毎日のように伝えています。

2、3か月後に来てくださいや、メインテナンスが大事という言葉の代わりに『来ない人もいるけど○○さんはどうしますか?』と投げかけ、患者さまの意思で決めていただくことにしています。このようにコンサルを行うことで患者さまは、言われたから来たのではなく、自分の意思で決めたことになりより積極的に歯科治療に協力してくださると考えています。

大谷先生、貴重なお時間ありがとうございました。

一層のご発展を期待しております!

大谷 一紀先生

プロフィール
日本大学歯学部卒業
(日本大学歯学部歯科補綴学教室Ⅲ講座)
日本補綴歯科学会 専門医
日本歯科理工学会 会員
日本顎咬合学会 認定医
スタディーグループTRUST会員
スタディーグループ
Esthetic Explorers 主宰

大谷歯科クリニック

〒110-0004
東京都台東区下谷2-3-2ルックハイツうぐいす谷1F
TEL:03-3871-1664

診療時間(予約制)
【月~金曜】
 9:30~13:00 14:00~18:00
【土曜】
 9:30~13:00 14:00~15:00
(木曜・日曜・祝祭日は休診いたします)

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