口臭の原因になる舌苔と舌磨きのポイントは?
作成日:2016/09/08
更新日:2021/04/16
鏡で自分の口の中を見ると、舌の表面に白い苔のようなものが付着していませんか?この苔のような汚れが「舌苔」です。これは舌の表面に無数にある小さな突起が固くなり、その間に様々な種類の細菌や古くなった口腔内の粘膜、食べ物のカスなどの汚れが溜まったもの。汚れの種類や量によって白や黄色にも見えます。
基本的には誰にでもあるもので、舌苔があるからといって特に治療する必要はありません。しかし、舌苔が厚くなると味を感じにくくなったり、口臭の原因になったりすることもあります。
舌苔ができる原因
舌苔は、人によって「できやすさ」が異なります。たとえば常に口を開けている癖のある人は、口腔内が乾燥するため舌の汚れがこびりついて落ちにくくなるでしょう。ストレスなどによって唾液の分泌量が少ない人も同様です。
また、加齢などで舌の運動機能が低下したり、唾液の分泌が少なくなると、口の中の汚れを落としにくくなって舌苔も増えてきます。
さらに舌の位置もポイント。通常の舌は上あごにくっついているため摩擦によって汚れが落ちていきますが、口呼吸の人や受け口の人などは舌位が低く、上あごに擦れることがないため、どんどん汚れが溜まっていきます。
舌苔が口臭の元になるメカニズム
口臭の原因は複数ありますが、そのうちのひとつが細菌による臭い物質の放出です。口腔内の細菌のうち「嫌気性細菌」が舌苔に付着すると、舌表面にある古い粘膜や食べ物のカスなどのタンパク質を分解する活動を行います。その過程で発生するのが、揮発性硫黄化合物である硫化水素。あの鼻をつく嫌な臭いの元です。そのため、場合によっては舌苔が口臭の直接の原因となり得るというわけです。
舌をケアする方法について
口臭を抑えるためにも、舌をキレイにして舌苔を取り除いてあげましょう。そのケア方法をご紹介します。
1.適度な舌磨き
専用の舌ブラシを使い、舌苔を落とします。ポイントは優しく丁寧に行うこと。まずは鏡を見ながら舌を突き出し、舌苔の範囲を確認しましょう。
そして水に浸した舌ブラシを舌苔の一番奥に当て、軽い力で手前に引いてください。この時強い力をかけると舌を傷つけてしまうため、あくまで優しく行いましょう。一度引くごとに舌ブラシを水で洗います。
これをブラシに汚れがつかなくなるまで繰り返しましょう。キレイに舌苔を落とせるはずです。ただし、磨きすぎには注意してください。1日に1回、起床時のみで充分です。
2.薬用マウスウォッシュの使用
舌磨きの時間がない時や、より舌磨き後の仕上げのケアをしたい時などは、殺菌作用のある薬用マウスウォッシュの効果的な使用がおすすめです。嫌な臭いの元となる細菌を殺菌することができるでしょう。舌ブラシと併用する場合は、舌磨きの後に行うと効果的です。